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[291]名無しさん(ザコ):2005/10/09(日) 06:48:37 ID:6RI+/GI60
●昭和38年 狭山事件
5月1日、16歳の女子高校生、中田善枝が行方不明となり、夜遅くに
身代金を要求する脅迫状が届いた。2日、善枝の姉が金を持って指定の場
所へ行ったが、警察の張り込みに気づいた犯人は逃走。4日、強姦殺害さ
れた善枝の遺体が発見された。
一月前、「吉展ちゃん誘拐事件」で大失態(張り込み場所を間違え、身
代金を奪われたばかりか子供を殺された)をやらかしていた警察はここで
も非難を浴び、責任をとって警察庁長官は辞職した。
5月6日、善枝宅の元使用人である中年男が、農薬を飲み井戸に投身自
殺。事件当日のアリバイはなく、血液型は善枝の体内に残留していた精液
と同じくB型だった。
だが警察は「犯人に死なれてはたまらない。必ず生きて捕らえる」と発
表。そうしなければもはや警察の威信は支えられない、と彼らは考えた。
「生きたまま捕らえる」ことに警察はあくまで執着した。そこに正義があ
ったかどうかは、疑わしいと言わざるを得ない。
11日、「犯行現場付近であやしい3人組を見た」と届け出た男が錯乱
し、包丁で胸を突いて自殺。
解剖の結果、善枝は処女ではなく性経験があったことはわかっている。
また1日は善枝の誕生日で下校後、待ち合わせして交際していた中年男と
会う約束だったのではないか、という見方は妥当なものとして浮かんだ。
善枝は見知らぬ男に簡単に誘拐されるような娘ではなかったし、犯人の声
も地元訛りの中年男のものであった。
が、警察はこれらのすべてを無視して、23日に被差別部落の石川一雄
を別件逮捕。あきらかに不当と思われる手段(拷問、証拠偽造・隠匿)を
用いて無理やり自白させた。
裁判は一審が死刑、高裁・最高裁が無期懲役であった。
部落解放同盟は無実の訴えをきっかけに、公正裁判と完全無罪判決要求
活動を開始。だが再審請求は棄却されつづけ、現在に至る。
昭和39年、一審判決を聞いてから善枝の姉が精神に異常をきたし、7
月に農薬を飲んで自殺。(犯人の名を知っていたという説もあるが真相は
不明。医者が家についたときには、すでに劇薬の瓶は洗われ、死体もきれ
いにされて寝かされていたという。証拠隠匿の可能性は大)
中田家の事情に詳しく、警察の捜査を公然と批判していた地元の男性A、
予兆もなく脳溢血で急死。
昭和41年、警察の参考人リストにも載っていた中年男が、電車に轢か
れて死亡。
昭和52年、最高裁判決後、善枝の兄が首をくくって自殺。
なお、善枝の母は男出入りが派手で、婚儀の日は庭に墓石を投げ入れら
れるなどのいやがらせを受けたこともある。善枝とほかの兄弟は種違いで
あるという噂もあり、複雑な家系であったことは間違いないようだ。(こ
の母親は夫と長男に精神病院に入れられ、数日後、急死している)また遺
産相続で揉めていた形跡もあり、家庭内の近親憎悪も高まっていた。事件
後、家督を継いだ長男以外の生き残りの兄弟は家出したり、他家に養子に
入るなどして中田家から離れている。
さらに、のちにわかったことだが石川青年の調書を初めてとった検事は
地元の男性Aと同じく急死。石川青年が絶食中、自白したことについて(絶
食中であればその自白は証拠能力なし)同日に彼を診察した医師の行方を
探したところ、なんとタイに停泊中の船内でこれも急死していた。
ほとんど明白な冤罪に加え、相次ぐこの関係者たちの怪死――。これら
の死がすべて偶然に重なったものだと考える者はまずないだろう。
司法の腐敗というだけでなく、事件そのものにもあまりにも謎が多く、
陰惨と言っても過言ではない。まさにこれは昭和史に鎮座する最大の暗黒
事件といえるだろう。
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0ch BBS 2005-06-05