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[546]名無しさん(ザコ)：2007/05/27(日) 17:58:04 ID:yg6wK1u60
「現状存在する七千年分の負債に、更に七千年分を追加し、半竜ファーゾルトの身柄はそのままに彼の全権利を買い取る。――命を代価にさせようとする輩にはこれでいいだろう」
「……交渉相手を買うだと！？」
ファーゾルトが叫んだ。風が起き、髪が乱れるが佐山は構わない。口を開き、
「――それが必要な交渉ならばその通りにするのが我らの武器の選び方だ。貴様らの言葉だな。そして私達の共通見解になった筈だ。……金が払えねば命を売れ、と」
苦笑。
「逆に言えば、金が払えれば命を買えると言うことだ」
「――――」
「我々は必要ならば払うぞ。何年かかろうと誰が苦しもうと貴様らが拒否しようとも。だから敢えて言おう。――金のない貴様らが持つのは誇りではなく貧乏人の奴隷根性だ」
「奴隷だと？ 言ったな？ 原住民風情が……」
「原住民？ 我々も随分と進化したものだ。黄色い猿と呼ばれた頃が懐かしいものだね」
佐山は苦笑を深くする。
「ファーゾルト、我々の種族を教えよう。経済的動物（エコノミックアニマル）日本人だ。金の問題など恐れるものではない。
負債？ 積み上げよう。政治？ 金で動くものだよ。遺恨？ 金のない者のひがみだよそれは。さあ、だからファーゾルトよ、同胞達の合計一万四千年の安寧のため、我らが元に下れ。
そして言うのだ、身柄だけは1st-Gに置いたまま我々の持ち物として――」
頷き。
「……交渉要求を全て取り下げます、と。ああ、頭を下げることはない、君は買い取られて同胞になるのだから。資格は充分だ。我々さえしたことのない命の買い取りを推すのだから」
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